大関経験者の十両琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)が、引退を決意したことが14日、分かった。今後、引退への手続きを進めて、早ければ同日中にも正式発表する。今場所はここまで1勝5敗だった。協会理事会の承認を経て、年寄「秀ノ山」を襲名する見通し。

西前頭11枚目だった9月の秋場所で左ふくらはぎを肉離れして途中休場し、今場所は15年ぶりに十両へ転落した。場所前に取材に応じた際には「勝てば上がれるし、という世界。前を向いていく。ネガティブ的にとらえがちだけど、自分としてはポジティブなところがたくさんある」と話すなど、意欲を見せていた。幕内復帰を目指していた今場所だったが、白星は2日目の松鳳山戦のみ。1勝5敗と厳しい状況だった。

明徳義塾中で中学横綱に輝き、同高で団体など7タイトルを獲得し、02年初場所で初土俵を踏んだ。代名詞のがぶり寄りを武器に、11年秋場所後に大関昇進を果たし、16年初場所では日本出身力士として10年ぶりに賜杯を抱いた。しかし、度重なるケガや若手の台頭などにより徐々に番付を落とし、今場所は05年春場所以来となる十両に陥落。関取最年長の琴奨菊は、土俵を下りることを決めた。