ポスティングシステムを申請した巨人菅野智之投手(31)が、大リーグ球団との交渉に向け、元日に渡米したことが2日、分かった。現地では、代理人を務める米大手代理人事務所「ワッサーマン」のジョエル・ウルフ氏らと綿密にコミュニケーションを取りながら、交渉を進めていくとみられる。

昨季はプロ野球史上初の開幕投手からの13連勝を達成し、最多勝(14勝)、最高勝率(8割7分5厘)、セ・リーグMVP、ベストナイン、ゴールデングラブ賞と数々のタイトルを獲得した。米球界関係者によれば、複数の大リーグ球団が巨人の大エース獲得に向け、水面下で争奪戦を繰り広げている。

昨年12月8日、ポスティング申請後に川崎市のジャイアンツ球場で取材に応じた菅野は、大リーグ移籍を「夢」と表現し、「これからもたくさん悩むと思いますけど、後悔のない選択をしたいです」と語った。交渉期限は米東部時間7日午後5時(日本時間8日午前7時)。菅野の決断に注目が集まる。

◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。以前は最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉できる。日本球団への譲渡金は、選手が契約で保証される額によって変動する。メジャー契約の場合、保証額のうち2500万ドル(約26億2500万円)までの部分の20%、2500万ドルを超えて5000万ドル(約52億5000万円)までの部分の17・5%、5000万ドルを超えた額の15%の合計となる。契約期間内に獲得した出来高払いの額からは15%が追加で支払われる。