陸上・大阪国際女子マラソン(31日、大阪・長居公園内周回コース)東京五輪代表の一山(いちやま)麻緒(23)=ワコール=が2時間21分11秒で初優勝した。2004年アテネ五輪金メダリストの野口みずきが05年に出した2時間19分12秒の日本記録更新を目指したが、16年ぶりの新記録樹立はならなかった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年は公園内を約15周するコースに変更。無観客の中、男子選手がペースメーカーを務める異例の形式で開催されたレースで、伸び盛りの23歳が東京五輪へ弾みをつけた。
唇をかみしめてゴールテープを切った。野口みずきが16年前に出した日本記録に届かず、一山が悔し涙を浮かべた。それでも東京五輪への糧となる、2時間21分11秒。大会記録で堂々の優勝だ。
「今日のレースでペースが体感できた。今このくらいでしか走れないってわかったので、もっと強くなるように頑張っていきたいと思います」
コロナ禍で御堂筋などの公道を走らず、約2・8キロの周回路を約15周する異例のレースだった。スタートから男子ペースメーカーの川内優輝(33)=あいおいニッセイ同和損保=らにピタリ。同じ東京五輪代表の前田穂南(24)=天満屋=が14キロ手前で脱落したが、設定された1キロ3分17~18秒ペースで24キロまでは押していった。しかし「少し呼吸がきつくなり始めた」と異変を感じると、25キロ付近からペースダウン。再び日本記録ペースに持ち直すことはできなかった。
「きょうは日本記録を目指して、それだけのためにやってきたので…今は悔しいですね」
優勝者インタビューでは言葉を詰まらせた。コロナ禍による周回路へのコース変更も追い風になるとみられていたが、2時間19分12秒には届かず。「ただただ自分の力がなかったなっていうのが正直な気持ちです」と悔し涙を流した。
昨年12月上旬には、3月に名古屋ウィメンズを制した際の「鬼メニュー」をさらに改良した1キロ×25本のインターバル走を実施。設定タイムは3分10秒で、15本目以降は涙を流しながら走るほどの「超鬼メニュー」だった。
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