マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が野手組が合流した23日(日本時間24日)、アリゾナ州ピオリアで“キャンプイン”した。ユニホーム姿は現役時代と変わらない一方、特注のマスクを着用してグラウンドに登場。「息が上がりますね。倒れる人がいるんじゃないの」。

もっとも、慣れないスタイルながらも、ストレッチやキャッチボールなどで体をほぐした後、外野手の守備練習の際には、ティー打撃で鋭い打球を飛ばした。さらに、若手野手相手のフリー打撃に登板するなど、はつらつとした姿を披露した。

コロナ禍でも、帰国中や自宅のあるシアトルではトレーニングを継続。「ずっとやってましたよ。僕は変わらないです」。今キャンプには、外野手用に加え、投手用、内野手用と3種類のグラブを用意するなど、野球に対する貪欲な姿勢は変わっていない。

また、私生活で変化があったことも明かした。現役引退後の2019年夏、愛犬の一弓(いっきゅう=柴犬)が17歳で息を引き取った。「僕の引退を見届けてからですからね」。その後、一弓の祖父にあたる「長天坊」の血を継ぐ1歳の姉弟2匹が家族に加わった。名前は、イチロー氏が雌を「姫弓(ききゅう)」、雄を「天朗(てんろ)」と命名。今回、イチロー氏らと一緒に渡米した。「静かだった家が、すごくにぎやかになりました」と、にこやかな表情で話していた。