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久保建英は「ジャガイモでラーメンを作らなくては…」。水と油のヘタフェで結果を残すためには?【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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ラ・リーガ第26節、レアル・バジャドリード対ヘタフェが現地時間6日に行われ、2-1でヘタフェは敗れた。久保建英は後半開始からピッチに立ったが、得点に絡むことはできず。水と油のように自身のスタイルと異なるチームで活躍するには、何が必要なのだろうか。(文:加藤健一)

2021年03月07日(Sun)10時00分配信

シリーズ:分析コラム
text by 加藤健一 photo Getty Images
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久保建英は5試合連続でベンチスタート

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【写真:Getty Images】

 マルク・ククレジャが累積警告による出場停止のため、久保建英が5試合ぶりに先発するのではないかと予想する向きもあった。しかし、蓋を開けてみれば久保はベンチスタート。ヘタフェは早い時間帯に2点を先行されたが、ハイメ・マタのゴールで1点を返す。攻勢を強めたいホセ・ボルダラス監督はハーフタイム、守備で穴になっていたダミアン・スアレスを下げて久保を投入している。

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 61分、ニアゾーンに走り込んでスルーパスを受けた久保は、カットインからシュートを放ったが、ボールはGKに防がれた。68分、決定機では相手を引き付けて左へパス。しかし、アレニャのシュートは左に逸れた。この試合でも決定機に絡んだが、久保のスタッツには0が並んでいる。

 ゴールを決めたマタは85分に退場処分を受け、ヘタフェは数的不利に。久保が入ったことでチャンスの数は増えたが、結果としてはヘタフェの敗北。両者の勝ち点は2ポイント差のままで、残留争いから抜け出すことはできなかった。

変化する環境に適応するには?

「この世に生き残る生物は、激しい変化に早く対応できたもの」

 有名な言説だが、学者のチャールズ・ダーウィンが言ったものではないらしい。安定した環境に棲む生物には当てはまらないし、種の絶滅は運による要素が大きいとも言われている。ダーウィンが提唱した進化論とも異なっている。

 これを知ったとき、サッカーも同じではないかと思った。同じプレースタイルのチームでプレーする選手には変化に対応する場面が少ない。そのポジションに求められるタスクの変化を予想することはできても、予測することなど不可能である。

 久保はヘタフェで苦戦している。フィジカルコンタクトを厭わず攻め込むスタイルと久保の特長は水と油である。カレーの具材でラーメンを作るようなものかもしれない。しかし、ジャガイモでおいしいラーメンを作る方法を考えなければ、生き残ることはできない。

 環境が目まぐるしく変わるサッカー界のトップレベルで生き残るには。科学的な研究によると、常に変化する環境に適応するためには、「非効率で無駄が多いほうがいい」という。

 行き過ぎた効率化により無駄が省かれると変化に対応できないのは、昨今のパンデミックが教えてくれている。無駄だったものが、状況次第では薬になる。

ヘタフェでの経験は徒労ではなく…

 チャンスとなった61分の久保のシュートは、ヘタフェの辞書にはないプレーだった。右サイドに流れたマタがロングボールを収め、中央のマウロ・アランバリにパスを送る。久保はニアゾーンを縦に抜け出してパスを受け、カットインからシュートへ。

 流れるようなパスワークは、久保のスペースを見る眼によって生み出された。前半にニョムが右サイドでキープした同様の場面でもニアゾーンのスペースは空いていたが、そこに走りこむ選手はいなかった。異なる特徴も活かされる場面は存在する。

 ヘタフェからしてみれば、久保のようなテクニカルなプレーは無駄になることも多い。しかし、スタイルを無理に変える必要はない。環境は常に変化しており、続けていればその才能が発揮される場面は訪れる。ヘタフェでの経験は徒労ではなく投資になる。

(文:加藤健一)

【了】

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