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畠田瞳「平凡」でも切り開いた五輪への道 原点は「ドラえもん」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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段違い平行棒の演技を終えて笑顔の畠田瞳=長野市ビッグハットで2021年5月15日、宮間俊樹撮影 拡大
段違い平行棒の演技を終えて笑顔の畠田瞳=長野市ビッグハットで2021年5月15日、宮間俊樹撮影

 今夏の東京オリンピックの代表選考会を兼ねた体操のNHK杯は15日、長野市で女子個人総合が行われ、畠田瞳(20)=セントラルスポーツ=が初の五輪代表入りを決めた。

 五輪メダリストの父、元日本代表の母という体操一家で育った努力家が持ち前の正確な演技で大舞台への道を切り開いた。試合後、家族が見つめる中、涙ながらに語った。

 「(新型コロナウイルスの)感染拡大で試合がなくてつらかった。今まで頑張ってきて本当によかった。家族の存在が一番大きかった。輝く姿を見せたい」

 東京都出身。意外にも体操を始めたのは小学3年とトップ選手としては遅かった。きっかけは道徳の授業。「ドラえもん」の作者である藤子・F・不二雄さんの人生を紹介した話だった。「のび太」のように不器用だったが、粘り強く努力を重ねて大好きな漫画の道を突き進み、夢をかなえた姿に心が揺さぶられた。畠田は「私には体操だ」と確信し、母の友紀子さん(47)に気持ちを伝えた。

 父は1992年バルセロナ五輪男子団体総合銅メダリストで、日体大体操部男子監督の好章さん(49)。友紀子さんもユニバーシアードの日本代表歴を持つ。しかし、畠田自身は自らを「才能も能力もない、平凡な人間」と語る。ともに五輪出場を目指す妹の千愛(16)が難度の高いひねり技を駆使し「天才肌」と形容されるのとは対照的だ。

 畠田は自他共に認める不器用で技の習得には時間がかかるという。コーチとして姉妹を指導する友紀子さんは「瞳は覚えるのは遅いが、真面目な性格。練習から本番のように気持ちを入れて演技ができる」と語る。

 畠田は得意の段違い平行棒に代表される正確で安定感のある演技で、世界選手権の舞台で着実に成長を重ねてきた。2018年には団体総合で6位、翌19年にも東京五輪出場枠獲得に貢献した。「夢だった五輪が目標になった」と語っていた畠田。藤子さんのように自ら選んだ道を真っすぐに進む。【円谷美晶】

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