日本代表は7日、カタールW杯アジア最終予選の第2戦で中国代表と対戦し、1-0で勝利した。前半は中国が懸命に守りを固めてきた中、エースFW大迫勇也(神戸)が前半40分に先制点。後半は一転、帰化選手を投入してきた中国に圧力をかけられたが、失点を許さず耐え抜き、最終予選初白星を挙げた。
森保一監督は痛恨の黒星発進となった最終予選初戦のオマーン戦(●0-1)から先発4人を変更。DF冨安健洋(アーセナル)、DF室屋成(ハノーファー)、MF久保建英(マジョルカ)、FW古橋亨梧(セルティック)を新たに起用した。
システムは4-2-3-1で、GKには権田修一(清水)を起用。4バックは右から室屋、冨安、DF吉田麻也(サンプドリア)、DF長友佑都(無所属)。ダブルボランチはMF柴崎岳(レガネス)とMF遠藤航(シュツットガルト)が組み、2列目は右からMF伊東純也(ゲンク)、久保、古橋。1トップにはFW大迫勇也(神戸)が入った。
中国は初戦のオーストラリア戦(●0-3)の反省を踏まえ、システムを5-3-2に変更。ところが前半2分、早くもアクシデントに襲われる。センターバックの軸を担うDFチャン・リンポンがタッチライン沿いでクリアを試みた際、ピッチに足が引っかかって負傷。プレーを続行できず、DFジュー・チェンジェと交代した。
その後は自陣深い位置でブロックを敷いてくる中国に対し、日本は高い位置でボールを保持。大迫、古橋、伊東が最終ラインを駆け引きを続けつつ、一方的に押し込んだ。そして前半12分、久保の縦パスを受けた遠藤が振り向きざまに右足で狙い、ファーストシュート。ここからはCKが続き、古橋や吉田がゴール前で惜しいチャンスを迎えた。
日本はその後も両サイドバックが高い位置を取り、敵陣アタッキングサードで試合を支配。前半16分、右サイドに開いた古橋が左足でミドルシュートを狙う。わずかにゴール左上に外れたが、古橋は同22分にもビッグチャンス。遠藤の縦パスを大迫が落とし、相手をはがして右足を振り抜く。だが、これも相手ディフェンスにブロックされた。
さらに前半23分、日本は大迫とのワンツーで抜け出した久保がシザーズから右足で狙うも、左のポストに弾かれる。直後、中国はカウンターからFWウー・レイ(エスパニョール)が抜け出そうとしたが、冨安が安定したカバーリングを見せた。
一方的に攻め込みながらも1点が遠い日本は前半30分、柴崎がミドルシュートを狙うも大きく枠外。同34分には大迫のポストプレーによる落としから長友もミドルシュートを放ったが、これも枠を捉えられない。さらに同38分、久保のミドルシュートが相手GKのファンブルを誘い、こぼれ球を拾った伊東がラストパス。だが、大迫のゴール目前からのシュートは左ポストに直撃し、千載一遇の大チャンスを逃した。
ところが前半40分、ミスから切り替えたエースがすぐさま結果を出した。最終ラインからのパスを右サイドで受けた伊東が縦への突破で相手DFを振り切ると、高速クロスに大迫が反応。懸命に足を伸ばしたワンタッチシュートで見事に軌道を変え、ゴール左隅に流し込んだ。日本はこれが最終予選初ゴール。初戦から続いた嫌なムードをエースの一撃が払拭した。
そのまま試合はハーフタイムへ。日本は低い位置でブロックを敷いてくる中国を相手に70%を超えるボール支配率を記録し、先制点も奪えた上々の前半となった。
後半は前半から一転、中国がボールをつなぐ意識を見せ始め、中盤での激しいぶつかり合いが続く展開。すると開始直後、今度は日本をアクシデントが襲う。古橋が右膝を痛めてピッチに座り込み、同5分にMF原口元気(ウニオン・ベルリン)と交代。その後は中国がボールを保持する時間が続き、サイドから侵入される場面も出てきた。
そして後半9分、中国はセットプレーからジュー・チェンジェがシュートを狙い、これは室屋がブロックしたものの、二次攻撃からMFウー・シーのヘディングを許す。日本も同17分、伊東が敵陣でのボール奪取から自慢のスピードで抜け出し、スルーパスに久保が反応したが、浮かせたシュートがGKに阻まれて追加点を奪えなかった。
すると中国は後半18分、勝負の3枚替えを敢行。システムを4-4-2に変更し、帰化選手のMFアランとFWアロイージオを入れた。その後は中国がさらに勢いを強め、局面でのデュエルが続く肉弾戦の様相。同29分には相手のプレッシングをかいくぐった日本にチャンス。久保の突破から遠藤がゴール前に低いクロスボールを送ったが、惜しくも合わずにゴールラインを割った。
日本は後半31分、伊東に代わってMF鎌田大地(フランクフルト)を投入。鎌田はトップ下に入り、久保が右サイドに移った。その後は中国も足が止まり、同42分には柴崎がブレ球のミドルシュートでGKを強襲。同43分には負傷した長友がDF佐々木翔(広島)と交代し、守備への意識を強めると、最後までリードを守り切った日本が辛くも今大会初勝利を飾った。
(取材・文 竹内達也)
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