日本代表は2日、カタールW杯アジア最終予選の初戦でオマーン代表と対戦し、0-1で敗れた。攻守に組織的なサッカーを見せたオマーンに内容面でも圧倒され、後半43分にクロスから痛恨の失点。UAEに逆転負けを喫したロシア大会予選に続き、最終予選はまたしても黒星スタートとなった。
森保一監督は最終予選初戦に向け、手堅いスターティングメンバーを選択。東京五輪世代から選出された6選手をベンチに置き、2次予選全勝突破を牽引してきた顔ぶれを重用した。システムは4-2-3-1でGKは権田修一(清水)。4バックには右からDF酒井宏樹(浦和)、DF植田直通(ニーム)、DF吉田麻也(サンプドリア)、DF長友佑都(無所属)が並び、ダブルボランチはMF柴崎岳(レガネス)とMF遠藤航(シュツットガルト)が組んだ。2列目は右からMF伊東純也(ゲンク)、MF鎌田大地(フランクフルト)、MF原口元気(ウニオン・ベルリン)。1トップにはエースFWFW大迫勇也(神戸)が入った。
序盤の主導権を握ったのはオマーン。4-3-1-2のシステムで中盤に密集し、ロングボールを有効に使いながら勢いよく攻め立てる。日本はボールを奪った後、大迫に縦パスを当てることで陣地回復を図るが、大雨で濡れたピッチの影響もありミスが多発。前半13分にはMFサラー・サイド・アルヤヒアエイのボールキープから左サイドを崩され、MFアルマンダル・アルアラウィに危険なシュートを放たれた。
日本は前半15分、権田のパントキックに伊東が抜け出すと、こぼれ球を拾った柴崎がダイレクトでスルーパスを供給。これに反応した伊東がカットインシュートでようやくゴールに迫る。その後は徐々に両サイドの大外を使えるようになった日本がボールポゼッションを回復。柴崎が少ないタッチから反対サイドに配球し、攻撃を加速させる場面も目立ち、同21分には的確な読みからインターセプトも見せた。
そこからは次第に雨が強まり、日本はパス回しで苦戦するも、前半28分は吉田のロングフィードからこの日一番のビッグチャンス。ペナルティエリア内でうまく収めた伊東がシュートを放った。これはオマーンGKファイズ・アルルシェイディの安定したブロッキングに阻まれるが、ここからは一方的に支配する時間が続いた。
前半34分、日本は酒井の縦パスに絶妙なタイミングで抜け出した伊東がアーリークロスを送り込むが、ゴール前に走り込んだ大迫には惜しくも合わず。同42分には中盤の切り替えからFWザヒル・スライマン・アルアグバリに危険なシュートを放たれたが、吉田が懸命なシュートブロックでピンチを摘み、スコアレスのままハーフタイムを迎えた。
日本は後半開始時、原口に代わってFW古橋亨梧を投入。そのまま左サイドに入ると、一気に攻撃が活性化する。後半4分、長友のクロスに反応した伊東がヘディングシュートでゴールに迫ると、こぼれ球を拾った大迫が波状攻撃を開始。次のシュートにはつなげられなかったが、前半にはなかった良い形をつくった。
それでも後半6分、日本は危機的な状況に陥ってしまう。右サイドで酒井がMFアブドゥラ・ファワズに振り切られ、ゴール前に鋭いクロスを供給されると、カバーリングに入った長友にハンドの判定。オマーンにPKが与えられた。ところが、今回の最終予選からはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入済み。主審がオンフィールド・レビューを行った結果、ノーファウルに覆った。
ロシアW杯最終予選では、誤審気味のPKを与えたことで悲劇の逆転負けを喫していた日本はVARに救われた形。スコアは0-0のままとなった。判定に後押しされた日本は後半10分、酒井のクロスに長友がヘディングで反応するも大きく枠外。するとオマーンも懸命に盛り返し、同15分にはまたしても右サイドを突破され、アルブサイディのシュートは権田と吉田がかろうじてブロックした。
またも悪い流れとなった日本は後半18分、伊東に代わってMF堂安律(PSV)を投入。同20分には攻守の切り替えから柴崎のパスを受けた大迫がカットインシュートを狙うも、GKアルルシェイディのファインセーブに阻まれる。その後も劣勢が続く日本。攻撃陣が攻め残るオマーンのカウンターを受け続け、サイドから危険なクロスを何度も入れられた。
そして日本は後半25分、鎌田に代わってMF久保建英(マジョルカ)を投入。アジア2次予選で2試合計12分間の出場にとどまっていた久保は十分なプレータイムを与えられた。だが、久保の突破はオマーン守備陣にことごとく阻まれ、スコアレスのまま時間だけが過ぎていく。
そして後半44分、日本はついに守備を破られた。右サイドでワンツーを許してアルヤヒアエイに突破されると、高速クロスに反応したのはMFイサム・アブダラ・アルサビ。右足ダイレクトでゴール左隅に流し込まれた。試合はそのままタイムアップ。UAEに1-2に敗れたロシアW杯最終予選に続き、またしても大苦戦の船出となった。
(取材・文 竹内達也)
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