「タイガー・イズ・バック!」
そんな折、突然、ソーシャルメディアで拡散された1枚の写真。世界中が「タイガー・イズ・バック! (タイガーが戻ってきた)」と沸き返り、大勢のゴルフファンが歓喜に包まれた。 その写真には、ウッズが立っている姿が写されていた。フロリダ州内で開催されたジュニア大会に出場する12歳の長男チャーリーくんを応援するため、ウッズは試合会場となったゴルフコースへ出向き、練習場で球を打つチャーリーくんの打席後方で立ち姿勢で見守っていた。その隣には恋人のエリカ・ハーマンさんもいた。 ウッズは杖を持たず、代わりに右手でゴルフクラブを握り、それを杖代わりに軽く地面に突きながらも自分の足で立っていた。 そう、彼が自分の足で「立っていた」ことが、ビッグニュースとして世界を駆け巡ったのだ。 半袖短パン姿のウッズの右足は医療用サポーターで大部分が覆われていた。写真に写っていたのはウッズの後ろ姿だったが、彼の背中や立ち姿勢全体から、「元気なオーラ」が溢れているように感じられた。 きっと、この写真を見た多くの人々が、同じように感じ、安堵したのではないだろうか。 だからこそ、人々は「タイガー・イズ・バック!」と喜んだのだ。
“杖なし姿”がビッグニュースに。なぜ?
それにしても、自分の足で立っていたというだけでビッグニュースになったのは、ウッズの右足の回復度が8カ月もの長きにわたってベールに包まれ、彼の再起が不安視されていたことの反動だったのだろう。 2月23日の交通事故後、ウッズの姿を写し出した写真が人々の目に触れたのは、わずか2回ほどしかなかった。 1度目は4月。ウッズはラフなTシャツと短パン姿で松葉杖を突き、横には愛犬を従えていた。その写真の中でウッズは笑顔こそ見せていたものの、体全体からは痛々しさが伝わってきた。 その写真公表と前後して、米ゴルフダイジェスト誌が報じたウッズのインタビュー記事には、ウッズのこんな肉声が記されていた。 「毎日、フィジカルセラピーで忙しい。リハビリメニューを日々のルーティーンワークとして行なっている。今の第一の目標は、自分の足で歩くこと。一歩一歩進んでいく」 そして6、7月には、ロサンゼルスでウッズが捉えられ、SNSに出回った。 そのときも、ウッズは松葉杖を2本持って車から降りており、依然として松葉杖が手離せないことを人々に印象付ける形になった。
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