ソフトバンクを退団し、自由契約となった内川聖一内野手(38)のヤクルト入りが19日、決定的となった。

交渉解禁になる12月7日のトライアウト終了を待って即交渉に入り、細部を詰めていくとみられる。獲得に向けた本格調査を進めているヤクルト側と、現役続行を強く希望し、出場機会を求めている内川側の方向性は合致しており、交渉に支障は見当たらない。

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「ヤクルト内川」誕生へ向け、球団は自由契約となった選手との交渉が解禁となる12月7日のトライアウト終了後を待って、速やかに獲得交渉に入る。両者の方向性は合致しているとみられ、交渉に大きな支障は見当たらない。背番号は横浜(現DeNA)時代に愛用した2が、今季着用していたエスコバーの退団で空いており、最有力候補だ。

現役最多のプロ通算2171安打を誇る内川だが、今季1軍出場ゼロに終わった。ウエスタン・リーグでは42試合に出場し、打率3割2分7厘をマーク。若手に交じり、切磋琢磨(せっさたくま)した。1日の同リーグ最終戦となった阪神戦。先発出場した試合後に「今年1打席も1軍でチャンスをもらえなかったことが、野球を辞める決心がつかなかった。まだまだ終わらせることはできない」とあいさつ。現役続行の強い意志を示した。

セ・パ両リーグで水面下で調査が繰り広げられ、中日も獲得に向け本腰を入れているが、ヤクルトではスタメン起用に加え、代打の切り札としても期待がかかる。今季は三塁との併用となった村上や外野手登録の坂口が主に一塁を守っており、一塁手としての出番も想定される。出場機会を求めている内川にとって、条件は整っている。球団幹部は「右打者として、あれだけの技術を持っている人はうちにいない」と衰え知らずのベテランを高評価。青木とともに、若手の手本としての役割も担える。実力派のベテランの加入がもたらすチームへの相乗効果は、計り知れない。