◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 最終日(14日)◇チャンピオンズGCサイプレスクリークコース(テキサス州)◇6731yd(パー71)
偉業に迫る72ホールを終えた渋野日向子は、結果を真正面から受け止めた。「3日目まで順位が良かったとしても、最後どの位置にいるのか。3日目まで1位にいても最終的な結果は4位。これだけの大舞台で頑張ったとは言え、悔しいですよね。めっちゃ悔しいけど、これが今の自分の実力なんだと思う」。単独首位から「74」と落とし、通算1アンダー。日本人史上初の海外メジャー2勝目を惜しくも逃した。
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見えない敵と戦っていた。重圧、そして肌を突き刺すような、凍てつく寒さ。順延された前日より、気温は10度以上低下し6度。「緊張感と寒さ。プレッシャーがある中で回っているうちに自分の(スイングの)動きってどうだったのかなと。自分のしたいスイングができず、最後までなかなか取り戻せなかった」。パーオン率は44%(8ホール)。ただでさえ長い番手を持たされる長距離コースで、第3ラウンドまでより2番手ほど長いクラブが必要だった。
残り3ホールに突入する前にリーダーボードを見た。優勝したキム・アリム(韓国)が上がり3連続バーディを奪い、2打上の通算3アンダーでクラブハウスリーダーになっていた。「(15番終了時点で)分かっていた。だからこその16番(パー3)のティショットだったけど」。UTで放ったショットはピン上4mに絡め、フックラインと読んだ。「打ち出したい方には打てていた。曲がり切らなかった」。無情にもボールはカップ右をすり抜けた。
「きょうのゴルフでは、耐えるしかないと思っていた。ただ10番から2連続ボギーとして、どうしたらパーを獲れるんだろうと考えていた。プレッシャーがかかる中で、なかなかグリーンに乗せられなかった」。17番の3パットボギーで万事休す。18番のバーディ締めには笑みを浮かべたが、グリーンを降りると悔しそうに一度だけ空を見上げた。
2コースを使用する予選ラウンドを終えて首位に立ち、その貯金を使った残り2日間。「初日、2日目のゴルフが良すぎましたね。最後の2日のゴルフが、いまの自分の実力」と自己評価を下した決勝ラウンドでは、課題にしてきたショートゲームの粘りも見せ続けた。「アプローチやバンカーショット、パットを打つときの心境には変化を感じる。ダボを打たないゴルフができたことは成長かなと思う」。
全英覇者の重圧を背負い、苦境に陥った2020年。耐え抜き、さらなる成長を求めながら結果にも結び付け始めた。「夏場とかの状況を考えたら、ようここまで来られましたよね」とうなずいたが、「気持ちの部分は変わりましたけど、ゴルフの技術はあんまり変わっていない。技術面がまだまだですね」とすぐに言った。
「最終組らしいゴルフはできなかったけど、最終組で戦えたことは誇りに思っていいと思う。この経験は絶対に無駄にはならない。これからに生かすためにもマイナスの面、プラスの面をしっかり見ていきたい」。激動の一年の終わりに味わった惜敗は、米ツアー本格参戦に向けて始動する2021年への大きな糧になる。(テキサス州ヒューストン/林洋平)
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