1勝1敗で迎えた第3戦は、第5シードのヤンキースが第1シードのレイズに完敗し、後がなくなった。先発した田中将大投手(31)が、5回途中8安打5失点1四球4奪三振と持ちこたえられず、73球でKOされた。

田中は初回、無失点と無難にスタートした。ところが、2回2死一、二塁から9番ペレスに右前打を浴び、1点を先制された。4回には、8番キーアマイヤーに3ラン。5回、先頭のアロザレーナにソロ本塁打を喫したところで、ブーン監督がたまらずベンチを出て交代を告げた。

2被弾を含め、打たれた8安打中、4本が初球の変化球。速球が最速95マイル(約153キロ)をマークする一方、カウントを取るスライダーとカーブを狙われた。「悔しさしかないですね。自分自身の状態が、前回登板より良かったですし、しっかり状態を上げられていたので、なおさら結果が出なくて悔しい。フラストレーションが半端じゃないです」。試合後のオンライン会見では、淡々とした表情ながらも、敗戦後の胸の内を明かした。

もはや1敗もできないヤンキースが、第4、第5戦を連勝しない限り、田中の2020年は終了する。7年契約の最終年で、ラスト登板になる可能性についての思いについては「まったくないです。今もないです」と即答。ヤンキースのシリーズ突破を信じて、しっかりと前を向いた。